カオハガン島(その2)             2014年10月15日分

 セブのマクタン島(空港)に着いたのが夜7時頃だったか。カオハガン島の若者が二人で出迎えてくれた。日本語は上手。中部空港(愛知)から到着する一人を待ちながら夕食を食べたくさんおしゃべりをした。冗談もうまいし、人がいい。飛行機が遅れているらしくなかなか到着せず、やっと出発したのが、夜中の23時を回っていた。
 「この船で行くんですか」
 「そうですよ」にこにこしている。
ええっと、驚いた。大きくない船に蜘蛛の足のような“足”が6本ほどついている。波除のためのものかな。真っ暗な海に向かって若者たち数人で勘で操縦しているよう。ちょうど小さな台風が過ぎ去ったあとということで波は荒い。「大丈夫だろうか。ここで死ぬ運命なのかな・・・」などと考えながら、でも覚悟して乗っていた。だって若者たちは生まれてからずっと船と暮らしているし、何よりたくましい! 顔もしぐさも。絶対大丈夫と思った。マクタン島の浜からカオハガン島までは、満潮時で15~20分、干潮時で1時間程度。波を乗り越え無事到着。

コケコッコーの合唱
 この島のイベントの一つに闘鶏があるとは聞いていたが、早朝4時ごろからコケコッコウの合唱で目が覚めた。散歩しようと早朝散歩に。狭い島なので島1周でゆっくり歩いても20分程度だという。島民住居ゾーンの前ではプライバシーにのぞくことになるのではないかと躊躇していたら、島民の方が笑顔で「どうぞ、どうぞ」という。「サキヤマゲスト?」「そうです」にこにこ。ちょうど朝食の材料確保・準備・最中と、あちこちで火・煙が上がっている。まちまちの朝食スタイル。海から魚などを捕ってきたばかりの人、網で焼く人、椅子に座って少年が妹の口に食事を入れてあげている人、海辺をずっと見つめている人、洗面をしている人、私たちにずっと付き添って説明してくれる人・・・。隣の家と空間がないくらいぎっしり。子どもが多い。みんなの笑顔が暖かい。

早朝から学校で遊んでいる
 小学校がある。まだ7時ごろなのに、もう子どもたちは登校して学校で遊んでいる。日本のボランテイアからのプレゼントだという教材用のリコーダー(笛)で「聖者の行進」を吹いている。島中にしみとおるように聞こえる。
 中学は、近くの島に通うそうだが、小学校はこの島。家まで歩いて1~2分なので、昼食は自宅に帰って、また午後来る。子どもたちの目がキラキラしている。そういえば子どもたちだけではなく大人も目がきれいでちょっと恥らった笑顔が美しい。

基本的に電気もなく風呂もない
 私たちが泊めていただいたゲストハウスともう一つの部屋だけは、トイレもシャワーもあり、電気も夜だけ使用できる。しかし、島民は電気は使用しないので、朝になり明るくなれば活動開始し、夜はろうそくなどを使用しているようだった。ただ、お金持ちの人は自家発電装置を持っているとのこと。共同のトイレがあり、体は海で汚れを落とし、真水で仕上げるとか。きれい好きでよく洗濯し(もちろん手で)あちこちにたくさん干してある。
 つまり冷蔵庫も電気洗濯機もない暮らし。そう聞くと、悲惨で原始的に聞こえるかもしれないが、実際はそれで全然困らない生活なのですよ。3泊した私たちもちょっと困ったのは、冷たいビールがいつでも飲めるとは限らないことぐらい。(そうはいっても実は別な方法で冷やして飲んでいたんですが・・・)  つづく・・・
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2014.10.27 Mon l 日々の出来事 l top ▲
カオハガン島(その1)             2014年10月5日分

 知る人ぞ知る『カオハガン島』。先月行ってきました。何ともいえずいい島・いい旅でした。

出会いは1冊の本
 5年ほど前、東京の広尾(港区かな・高級住宅があるところ)を歩いているときにふらっと入ったステキなお店。目を引いたのは、変わった小物と明るく鮮やかな色の絵柄のキルテングの敷物。それを気に入って衝動買いしてしまったのです。2畳分くらいの大きさで値段も決して安くありませんでした。
私「これは有名な方の作品ですか」
お店の人「いいえ、これはセブ島の近くのカオハガン島というところで島民がみんなで作っているんですよ。10年以上前に日本人が買った後楽園球場くらいの島ですよ」
「ヘーイ、島を買ちゃったんですか・・・。それにしてもすごく素敵なキルテングですね。こういうの見たことないですよ」
「そうでしょう。世界中から注目されているんですよ。実はね、いろいろ理由があるんです。・・・・」
と話してくださったのが、おもしろかったのです。そして、
「そんなに興味を持ってくれたなら、この本をあげましょう。ぜひ読んでみてください」
と、店主さんが1冊の本をただでくださったのです。
その本が『何もなくて豊かな国』南海の小島カオハガンに暮らす崎山克彦著、新潮文庫だったのです。

一度行ってみたいと
 あっというまにその本を読んで、私は心が弾みました。小さな島に島民が数百人住んでいて、それを買った日本人の崎山さんという人が、島民に惚れ込み、島民と一緒になって自然を守りながら何かをやっている。現在の日本では考えられないような生活をしている。作り事の映画を見ているような感覚だったが、素のままで今でもそのように生活し生きているというのである。
 “いつか行ってみたい”と、ずっと思っていたのでした。

念願叶って
 “欲張り”ってありがたいもので、行きたい行きたいと思っていると叶うものなのですね。3泊でしたが満喫しました。人間にとって何が大事かという根源を考え直すような場であり出会いでした。たまたま同行になった一人旅の若い女性は最初は暗い顔だったのですが、帰る時には輝いていました。「生きているのが嫌になって、それでここに来ました。ここにきて何かが分かりました・・・。涙・涙・・・」と。

何回かに分けて紹介します。
2014.10.09 Thu l 日々の出来事 l top ▲