「機能強化型訪問看護ステーション」   2013年10月25日分

 10月23日の中医協(中央社会保険医療協議会)で在宅医療のことが論議された。中医協とは、2年に一度の医療保険の報酬(料金)を検討して示唆する医療界ではとても重要な会である。医療を行う医師会などの代表と支払う側の自治体の代表・学識経験者などが委員のメンバーである。

在宅療養支援診療所(機能強化型)の要件
 在宅医療全般についての論点整理だった。在宅療養支援診療所(機能強化型)の要件の見直し、医療材料・衛生材料の供給の仕組みの変更、在宅薬剤師の活動の推進強化、在宅歯科医師・歯科衛生士の推進などたくさんのサービスに論点整理だった。(詳しくは、厚生労働省のホームページを)

訪問看護ステーションについては 訪問看護については、かなり議論になった。これまで一本だった訪問看護ステーションがある意味では類型化することになり、新たに「機能強化型訪問看護ステーション」を認めていくことに対する提案と論議だった。一定程度の規模で機能を強化したものを別に扱うというもの。その要件に関係するのは、24時間体制、ケアマネージャーの機能、在宅看取り数、重症者数などが案として出ていた。
 これは、私が属している全国訪問看護事業協会が、来年の診療報酬改定に向けた要望書で「連携拠点型訪問看護の設置を」と要望した内容なので要望を取り入れてもらったと思う。多様な機能を期待される訪問看護ステーションが全部がそれをすることはさまざまな意味で難しいので、そういう拠点をつくるという意味合いである。今年度、厚生労働省の多機能モデル事業でも実施している内容。

診療報酬改定論議はこれからが本番
 2年に1回の診療報酬(医療保険)の改定。細かい内容まで要望をだし、少しでも国民のみなさんに良いサービスが提供できるように、そして訪問看護事業所が元気に活動できるようにと動いている真っ最中。
 ぜひ、中医協の動きには注目していてください。
スポンサーサイト
2013.10.28 Mon l 看護、介護、医療関連 l top ▲
フランスの「開業看護師」       2013年10月15日分


開業看護師
 フランスには、他の欧米(日本にも)にはないシステムの『開業看護師』があるということは聞いていた。日本では3万人しかいない訪問看護師なのに、人口が半分しかいないフランスで開業看護師(主に一人で自宅で開業していると紹介されていた)が7万人もいるというのである。一体どこからの依頼で何をするところなんだろうと、今回の視察旅行では少しでもわかればいいなあと思っていた。
視察の途中で何度かその言葉を耳にしたが、なかなか詳しく聞ける機会がなくて?のままだった。そのことをメインで聞けるだろうと思った「国立在宅看護推進連盟」とでもいうべき団体の視察は相手の都合でキャンセルになってしまい残念に思っていた。

訪問看護事業所も
 フランスで在宅療養の患者・利用者へ看護師が訪問する(訪問看護)は、大きく3つに分かれるようだった。一つは前述の「在宅入院機関」の看護師。ただし、一定の入院期間だけ。二つ目には日本でいう訪問看護ステーション(訪問看護事業所)で訪問看護師集団で、地域で暮らす方々の看護のために訪問する。
 一つの訪問看護事業所を視察したが、そこは、特養ホームのような施設の中にあったが、誇りを持って仕事をしている様子を説明してくれた。(医療保険での訪問看護)

開業看護師の事務所に訪問!
 あきらめかけていた時に、在仏の日本人の通訳の方が、「私がよく利用する開業看護所に行ってみましょうか。誰もいないかもしれませんが、とにかく・・・」と予定外にバスを向けてくれた。夕方5時ごろだったと思う。
 パリのエッフェル塔に近いところの大通りに面したところに間口が1間半か2間程度の小さな事務所がそこだった。看板には次のようなことが書かれてあった。オープンしている時間帯は、朝の1時間と夕方の1時間程度。実施する内容は、主に注射や処置だった。
 通訳の方が、中に入って行って見せてほしいという旨を話してくれて、OKをいただいた。中には、男性の看護師が一人いて説明してくれた。狭い室内(事務空間やトイレも入れてたぶん6畳か8畳くらい)には、処置台が2つ並んでいて薬剤や衛生材料らしきものが置いてあった。「友人と二人で共同して事務所を開いている。昼間は利用者宅訪問している」と。

患者さんが来訪
 そしたらちょうど60代くらいの女性が処方箋を持って来所した。傷の処置らしかった。来所して処置をして帰るまでの時間はおよそ10分。あっという間。もう一人来所。見ていると、診療所の処置室的な役割のようだった。患者さんが出勤前や勤務終了後に立ち寄って処置・注射をしている。

仕組みが大きく違う
 いろいろと話を聞いてわかったことは、診療所の医師の役割が大きく違う。聴診器一本で開業。検査やX線撮影は、それぞれ開業している検査センターやX線撮影センターに処方箋で指示を出すと実施してその結果を報告してくれる。注射や処置が必要なときは、開業看護所向けに処方箋を書き、患者に持たせる仕組みなのだ。これが50年も前から続いている仕組みだという。
 開業看護所は、開業権を譲渡・売買で譲っていくもの。日本での医師の開業の仕組みと似ているようだ。

開業看護師の訪問看護の場面は見ることができなかった
 日本の診療所の処置室のような開業看護所。訪問看護をどのようにやっているのかを視察することはできなかったのでよくはわからない。処置屋さんになっていなければいいが・・・。
 フランスは、医師の権限が強く、医師の指示がかなりの力を持っているようであった。

他の国もことを参考にする場合は、名称とか上辺を見ていってはいけないとつくづく思った。その国の仕組み全体を見たうえで、また患者・利用者側から見て紹介したりモデルにしたりすべきである。
参考にはなったが、今一つ把握・理解できていないように思う。またの機会があればぜひ、もっと深めたいものである。


2013.10.26 Sat l 看護、介護、医療関連 l top ▲
フランスの「在宅入院制度」       2013年10月5日分

以前、このブログでフランスの『在宅入院制度』の視察旅行にいっしょに行きましょうと紹介した視察旅行にいってきました。

3度目のパリ
 フランス・パリという遠い国に1回は行ってみたいと思っていたことが叶ったのがたぶん2008年でした。その後、次男がフランスの大学院に留学した関係で2度目は南仏を中心にいきました。ひょんなことで今回3回目のフランス訪問は勉強のためです。
 勉強のことはさておき、パリはやはり素晴らしいところです。街並みといい、道具や洋服のデザイン、センスなどなんだかよくわからないんですがちょっと違うんです。素敵なんです。別に高価な洋服を着ているわけではないのに素敵に着こなすというか。
 古いものを大事にして新しいもの・メタリックなものに価値を置くわけではなく、ある意味で質素・シンプルにかつ華やかに暮らしているように見えます。

在宅入院制度
 聞きなれないこの制度はどういうことなのだろうとずっと気になっていたので、詳しく正確に知るいい機会でした。ここでは詳しく紹介できませんが、簡単にいえば、入院には「病院入院」と「在宅入院」と2種類あるということ。家で病院入院と同等の医療を受けられる。具体的には、「在宅入院機関」として登録されたチーム(医師や看護師、リハビリ専門職など)が家に来て必要な治療をしてくれるというもの。「退院」とは家に帰ることではなく、そのチームの対象ではなくなるということ。日本でいう在宅医療のチームとは異なる。在宅在院日数期間は10数日から長くても1か月ほど。
 この制度のことを理解するのに非常に時間がかかった。日本の在宅医療チームがやっていることと何が違うのか、日本にはない『開業看護師』は何をする機関なのかなど。そもそも医療保障・介護保障の仕組みがかなり違うので、単純に比較できない。

日本では「在宅医療チーム」が
 フランスでの「在宅入院制度」のその内容については、日本では在宅医療チームで十分行われているように見えました。学ぶべきことは、病院退院直後(1か月くらい)はかなり丁寧な医療をたっぷりと行う必要があるということ。それをフランスでは「在宅入院」という言葉で強調され、病院の一つの部門のような形で行っているところもある。(全く独立したチームもある)病院関係者に「在宅は無理」と判断しないで家・地域での医療チームに引き継ぐことが必要だということを示すことが大事だというも日本でも考えなければならない課題だと思う。

また、別な機会に詳細を報告しますが、日本で参考にできることはいくつかありました。
2013.10.24 Thu l 看護、介護、医療関連 l top ▲