リスクマネジメントとは? 2月25日分
全国から講演に招いていただき、あちこち出かけさせていただいております。基本的な姿勢は、①時間が空いていれば ②私が講演できる内容であれば ③できれば現場のみなさんと交流するとか現場を見学させていただくなどの機会があればさらにOK。特に、私の恩師の1人の川上武先生(医事評論家)の教えを参考にしていまして、今まで受けたことのないテーマの講演は受けるようにしています。私自身への挑戦でありとても勉強になるからです。
講師料はあまり気にしていません。時には、交通費さえ出なくてそのことを言い出せず私が自腹を切ることもあります。それでも、私の話を聞いてくださり、そのことが何かに役立つのであればOKでしょう。
初めての挑戦―――ブログ仲間 私にいただく講演依頼は概ね7種類の内容(訪問看護云々、認知症の人の支援、ターミナルケア、EPAインドネシア・・・・・)なのです。最近、初めての試みに挑戦しました。それは、これまでは誰かの紹介とかどこかで講演を聴いたからとか、なにかと縁を大事に依頼してくださったのですが、先週お伺いしたところは、これまで全く縁もコネもなく、このブログだけのご縁で招いてくださったところです。
何かの拍子にこのブログを見つけて、ずっと見続けてくださっている栃木県のある医師です。「あなたの本をバイブルのようにして深め仕事をしています。いつか私どもの地域に講演に来てくれませんか。みんなで聞いてみたいです」とメールを下さったのです。会ったことがない人ばかり、全く知らない地域の講演会に伺いました。でも、不思議なことに始めたあった気がしないのです。私のことをよく知っておられるようなのです・・・・。とても熱心に聞き入ってくださる方々で、その視線の強さに身体に穴があきそうでした。
終わったあとが、また楽しいのです。単に講義を聴くということではなく、人間同士のつながりを大事に誘ってくださるのです。「2次会は、最終の新幹線の時間までお願いします。いいですよね」と。「OKです」と、夜9時くらいから始まった懇親会が、これまた楽しく実りが多いのです。本音と実情がボロボロ。私そっちのけで、みんなで屈託のない議論が始まるのです。
「先生は、そういっても食べられないというと経管栄養の管を入れてしまいますよね。それでいいんですか? 私は疑問ですよ」
「そういったって、じゃーどうすればいいんだい」
「生かせばいいというもんじゃないでしょ。その後、その人がどう生きているか知っていますか」
などと、認知症の人の支援の講演をしたはずなのに、ターミナルケア・チューブ栄養の是非に話が飛んでいます。
とっても素敵な時間でした。インターネットの威力に改めて驚かされ、新たな出会いに感謝し・・・。本当にありがとうございました。
講義『リスクマネジメント』 ずっと講演をさせていただいている内容に、『リスクマネジメント』(危機管理)があります。実は、私にとって、『リスクマネジメント』は、縁が深く一生涯向かい合うライフワークです。(その理由は、いつかお話します)ですから、『在宅ケアにおけるリスクマネジメントマニュアル』(日本看護協会出版会、2002)出版をはじめ、在宅やグループホームで、あるいは認知症の人の支援の上でのリスクマネジメントについては取り組んだり、講師を担当したり、雑誌に連載したりと向き合ってきました。
訪問看護という場で事故予防・事故対策をしてきたことをマニュアル化して全国に広げる動きをずっとしてきましたが、2001年から認知症グループホームでの実践を始めて、「リスクマネジメント」に対する考え方が私自身の中で変りました。いつか詳しく述べますが、事故を予防し、早期確実対応することはとても重要なことです。そのために現場で行わなければないことをまとめたものが「マニュアル」です。しかし、その中で大事なことは何かと問うと、危険を取り除き安全に暮らすことを支援するという面と同時に大事なのは、危険覚悟で豊かに生活することへの支援なのです。
『リスク』は“悪”か?! みなさん、自分の生活・生き方を振り返ってみましょう。危険覚悟で何かに挑戦したり、悪いことと知りつつ何かをやっていることはありませんか。
人が生きることとは、そういう連続でしょう。要介護になっても、認知症になっても『リスク』を敵にするのではなく、『リスク』を受け入れて・覚悟して生活し生きることへの挑戦を支援することがとても大事な視点であること。別な言い方をすれば、医療の場でのリスク管理と生活支援の場でのリスク管理はちょっと違った視点・姿勢が必要なのではないかということです。
私にとっては永遠のテーマ 先日、某県の訪問看護師の集まりで、リスクマネジメントの講演をさせていただきましたが、7年前の2002年に出版した本を参考にしている人は多くはありませんでした。出版当時はあれだけたくさん売れて全国に普及したのに、人が変わり管理者が代わるとなかなか伝わっていかないものなんだなあと感じました。
その本は、何回も刷りが変り、また今在庫がなくなってきたそうです。また増刷しますかと問われ、出版社も私も首を傾げています。7年間でさらにわかったこと、新たな種類のリスクが出てきていることなどいろいろ取り込んで、大幅に改定の必要があるのです。
うまく時間がとれるかが心配なのですが、私にとってはライフワーク・永遠のテーマなので行わなければいけないと思ってはいます。とりあえず、月刊誌「コミュニーテイケア」の別冊号で全面的に取り上げてくださることになりました。そのうち単行本として刷新できるようにがんばってみます。
*ガルーダ関連たよりは次回たっぷりと。
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